この作品のレビュー
平均 5.0 (1件のレビュー)
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この本が一般的には衝撃的なものであること自体が異常なことであるのかもしれません。
でも一読すれば、歴史の真実が諸法実相として鮮明に浮かび上がってきます。
この本は、普通の小説好きの、といっても会話…しているうちにお互い気がついて意気投合したというか、慰め合ったというか、それはふたりとも小中高にかけて図書館の日本文学全集と世界文学全集を、日本の歴史と世界の歴史の通史を、シャーロック・ホームズ全集とアルセーヌ・ルパン全集そして江戸川乱歩全集を、暇に任せて飽きることなく時には授業時間中にも越境して読んでいたという熱狂的な文学フェチというより全集フェチ(?)の年の離れた友人から、この本読んだかと問われて未知の本だというと、こういう当たり前の本当の事を声高に叫ばなければならなくなった時代に突入しているのだから読んでみるといいわ、と言って送ってくれた本です。
何年か前にたまたま神田の古本屋で偶然遭遇して意気投合した彼女は、韓流ドラマにはまったり創価学会の知人に頼まれて公明党に投票したりする右翼でも左翼でもない正真正銘のれっきとした3人の子持ちの普通の主婦ですが、この本に関してふたりとも、こういうことは私たちが図書館にある歴史書や文献を読んでいれば真実として当たり前のこととして抵抗なく受け入れられて認識できることであるということでした。
市井の常識人として何の違和感もなく、今まで同じ本や異なった本をお互いに読んできましたが、昭和天皇が戦争遂行の最高指示者だったというのは歴史的事実として誰も曲げられるものではないということです。
著者の増田都子さんは、中学の社会科に33年間携わり、授業で憲法九条をはじめとした平和教育を推し進めてこられました。1999年から現場をはずされ、都立教育研究所(現在の東京都教職員研修センター)で、人権侵害の懲罰・長期研修を強制されます。2002年現場に復帰。でもまた2005年9月からさらに懲罰研修を強制され、2006年3月に、都教委は「独善的で教員はもとより公務員としての自覚や責任感に著しく欠ける」として、彼女を分限処分で免職しました。極右的な石原都政の犠牲者の感も否めません。
たしかに多少とも彼女は過激すぎる感じがしないでもありませんが、政権・歴史学会・教科書・マスメディア・教育の現場の右傾化を、真っ只中で敏感に人一倍感じての過敏さなのだと思います。
参考までに、以下は出版元の社会批評社によるPRと目次です。
戦後70周年に小社が贈る一冊。
「日本は侵略していない、アジア解放の戦争をした」とする育鵬社教科書――この歴史偽造教科書が、安倍首相の肝いりで今年、全国に広がろうとしている。この侵略正当化論とその背後で蠢く「昭和天皇は平和主義者」キャンペーンに、厖大な資料を駆使して、初めて検証する。
目次
推薦文 7
はじめに 12
1 育鵬社教科書の発行経緯 12
2 育鵬社歴史教科書の昭和天皇記述頁を見てみよう 15
第1部 満州事変・日中戦争と天皇 19
第1章 満州事変と天皇 19
1 大日本帝国は不戦条約を最初に破った国となった 19
2 天皇は皇軍の独断越境を許した 21
3 天皇は謀略と知りながら満州侵略軍におほめの勅語を与えた 23
第2章 日中戦争と天皇 26
1 五・一五事件と二・二六事件に対する天皇の態度の違いは? 26
2 天皇は日中戦争拡大派だった 28
3 天皇の直接統帥命令である軍令で大本営が設置された 31
4 「天皇は国策決定の御前会議では発言しない」というカラクリ 32
5 天皇は「朕の命令なく一兵も動かすな」と命令した 34
第2部 太平洋戦争と天皇 39
第1章 開戦決定と天皇 39
1 天皇が言う「八紘一宇の真精神」とは 39
2 天皇の「八紘一宇の真精神」と「平和主義」 41
3 天皇の裁可により日本軍は対英米戦へのルビコン川を渡った 43
4 天皇は対英米戦に直結する南進作戦計画作成を命じた 45
5 天皇は火事場泥棒を裁可した 47
6 天皇は南部仏印進駐を裁可したが、まだ対英米戦の決意はできなかった 50
7 天皇は平和主義者だったから明治天皇御製を読み上げたのか 52
8 天皇は対英米戦を避け得る道を拒否した 57
9 大日本帝国憲法は立憲君主制か 59
10 「白紙還元の御諚」は天皇の平和主義を証明するか 62
11 天皇は対英米開戦の「要領」を納得して裁可していた 65
12 念には念を入れた天皇の「聖断」で開戦が決定された 68
13 天皇は九月六日御前会議の理由を語っていた 73
14 天皇は開戦に満足していた 76
15 敗戦後の天皇の「開戦時」に関する発言を確認しよう 79
第2章 開戦後の天皇 81
1 天皇は緒戦の勝利に舞い上がった 81
2 軍は国民も天皇も欺していたか 83
3 天皇は焦って軍に決戦を要求した 85
4 支配層の一部は一九四四年から「終戦」を考えたが天皇は考えなかった 88
5 天皇は近衛の早期降伏論も拒否した 91
6 天皇は東京大空襲を受けても降伏を考えなかった 92
7 天皇は一九四五年五月ころから、やっと終戦を考えるようになった 97
8 近衛の和平交渉条件には何が書いてあったか 104
第3章 敗戦と天皇 107
1 天皇は原爆が投下されても降伏を考えなかった 107
2 天皇は国民を救うために「降伏」を決意したのか 110
3 「朕の一身は如何あろうとも……」の大宣伝 114
4 天皇は「鬼畜米英」のマッカーサーに協力を申し出た 120
5 天皇は真珠湾奇襲の責任を東条に押し付けた 124
6 天皇はマッカーサーとの第一回会見時「全責任を負う」と発言したか 126
7 天皇は「配給量を一般国民と同じにし粗末な食事をとっていた」か 134
第3部 日本国憲法制定後の天皇 151
第1章 天皇と日本国憲法 151
1 天皇の戦争責任免罪のため、日本政府は嘘で固めて敗戦後を出発した 151
2 天皇は共産党が嫌いだが、右翼は気に入っていた 158
3 天皇バンザイ教カルト信者は、平然と真っ赤なウソを公表した 161
4 天皇はアメリカの占領統治に役立つ協力者として免罪された 166
5 憲法第一条と第九条は天皇制を守るためのワンセット 169
6 天皇はいやいや日本国憲法を受け入れた 173
7 天皇は戦争責任を認めず退位を拒否した 177
8 東京裁判は天皇免罪が大きなテーマだった 180
第2章 日本国憲法下の天皇と沖縄・安保条約 186
1 天皇はストを行う国民を憎悪した 186
2 天皇は日本国憲法施行と同時に憲法を蹂躙する政治干渉を開始した 189
3 天皇は沖縄を売った 193
4 天皇はマッカーサーの袖にすがって退位を免れた 204
5 天皇は木戸の退位進言を拒否した 210
6 天皇は政府の頭越しに日本国の主権も売り渡した 214
7 天皇は主権を売り渡した安保条約成立を慶賀した 223
8 宮内庁(天皇)は『風流夢譚』事件のテロを助長した 229
9 天皇は日本国憲法ではなく、大日本帝国憲法を守っていた⁉ 232
10 天皇は自分の戦争責任を暴露する高松宮に激怒した 240
11 天皇は初訪米で謝罪したかのような発言をしたが…… 246
12 「裸の王様」の死後も、明仁天皇と政府は虚飾の衣装を賛美した 251
おわりに 263
1 昭和天皇死去から六年、初めて日本政府は「侵略と植民地支配の過去」を認めた 263
2 敗戦後七十年、歴史の歯車を逆回転させる戦争する憲法を作っていいのか 265続きを読む投稿日:2015.06.23
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