日本漁業の真実
濱田武士(著)
/ちくま新書
作品情報
国境紛争・資源管理・TPP問題・地域衰退・就労者の激減……。漁業は現代日本を象徴する「課題先進産業」である。いまや漁獲量はピーク時の半分以下になり、約40年間で漁業就業者は3分の1にまで減っている。縮小し続ける日本の漁業に、なにが起きているのか? 本書は、漁業の歴史とデータを紐解きながら、その現状と問題点を大胆に描きだす。知られざる日本漁業の全貌を明かす決定版!
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 日本漁業の真実
- 著者
- 濱田武士
- 出版社
- 筑摩書房
- 掲載誌・レーベル
- ちくま新書
- 書籍発売日
- 2014.03.10
- Reader Store発売日
- 2016.11.04
- ファイルサイズ
- 8.6MB
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.7 (9件のレビュー)
-
クロマグロやウナギの絶滅が心配され、ニュースでも報じられる。
だが、それも問題ではあるが、日本の漁業の問題は実はそんなところにあるのではないとする本(『日本人が知らない漁業の大問題』)の広告に目が止ま…った。
そう、マグロやウナギの話は自分も気にしてきた。でも一方で何となく思ってはいたのだ。本当にそれだけか? 何かもっとありそうだ。消費者として、何となく、徐々に魚が遠くなっているような気がずっとしているのだ。日常の買い物で目にする魚の種類が減り、価格が高くなり、何となく少しずつ遠い存在になっていきつつあるような。ある決まった種類の、見た目に小ぎれいな切り身ばかり増えてきているような。
そんなこんなで、上記の本を読んでみようと思ったのだが、さらに包括的に漁業の問題を扱っているというレビューを目にして、本書『日本漁業の真実』を手に取ってみた。
ざっと漁業の歴史を振り返り、世界の中での日本漁業を俯瞰し、漁業の特殊性を考えつつ、将来を探る。硬めでバランスが取れた本であるように感じる。
漁業は斜陽産業といわれる。漁獲量も漁業従事者も減っている。
これを考えるには、漁労(魚の取り方)文化や魚食文化、産業構造といったさまざまな視点から考慮する必要があるという。
漁業は採る魚種や地域によって取り方がさまざまである。決まった場所ではないところから天然資源を得るという性質から、資源を枯渇させないため、また漁民間のトラブルを避けるため、漁業権に関わる取り決めがある。取り方もさまざま、規模もさまざまな事業者が混在している状況である。
遠洋漁業に関しては、200海里問題の傷手は大きく、急激に縮小されていったことがデータでも見て取れる。境界を共有する他国との間でうまく住み分けがなされればよいが、交渉が困難な場合も多い。
海洋資源の場合、どのくらい取れば適正量なのかという予測も一筋縄ではいかない。
ある魚種だけでなく、生態系との関わりもあり、また例えば沿岸の発電所や工場などが環境にもたらす影響もある。
養殖漁業は管理がしやすいようにも思われるが、一方で、養殖魚の餌も一般的には漁業によって得たもの(人の食用には適さなかったものなど)が当てられるわけで、自然から取る漁業と無縁ではない。
養殖業は、大まかに、(クロマグロのように)高額な資本を投じて大規模に飼育・販売するものと、細々と中小企業・個人でも手がけられるものに二分化されていくと考えられるようである。
消費サイドから見ると、人々の生活様式が都会風に移行していくにつれ、生ゴミが多く出やすい魚は敬遠され、売れなくなってきている。売れなくなれば魚価は下がり、就業者も減っていく。
人手不足を埋めるために海外からの労働者が入ってくるが、言葉の壁などから軋轢が生じる場合もある。
漁民間の調整をし、漁業と消費者をつなぐ役割も期待される組織が漁協だが、こちらも漁民の減少や魚価の低下などがあり、職員が減少し、思うような成果を出すことがますます困難になっている。
問題山積なわけだが、著者は絶望しているわけではないようである。
困難であっても、個々の漁場にあった漁業、若者も参入できる魅力ある漁業は可能ではないか。それを支援する政策もありうるのではないか。そうした道を探ろうとしているように思える。
一消費者としては、魚が食卓にあがらなくなるようなことがあればさびしいことだ。
海洋資源の今後を注視していきたい。続きを読む投稿日:2015.04.20
本書は、日本漁業の栄枯盛衰について書かれている。
様々な視点で、データを用いながら生産者、取扱者(商社や流通業者)、消費者の過去から現在までを細かく説明している。水産業界を知らない人には読むのに苦労す…る事が考えられる。
日本漁業に於いて、1番の問題はやはり日本人の魚離れが起因する需要の減少(可食部が少なく、他の食材に比べ食べるのに手間がかかる事が原因か?)、ある魚種では資源が減少していることも原因の一つだが、需要減から漁獲量も減っている。
都市部では、どのように付加価値をつけて、商品を販売していくのか。地方では、マーケティング・プロモーションを行い、どうやって人を呼び込めるかが需要回復の鍵になると考える。
その方法を考えていきたい。続きを読む投稿日:2022.10.21
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。