- 最新巻
滅亡へのカウントダウン(下)
アラン・ワイズマン(著)
,鬼澤忍(訳)
/単行本
作品情報
ますます過密化する世界で、人口減少に転じた日本。著者はこの国で、いかなる希望を見出したのか?
森達也氏推薦!
増え続ける人口と悪化する地球環境。人類は滅亡するしかないのか。次世代に何を託せるのか。今はまさしくターニングポイントだ。
第13章「縮小と繁栄――日本」より。
「そして、いまや適正規模にまで人口が減りつつある日本は、ある問題に関する一つの実験場になろうとしている。すなわち、人類の安全と生存のために人間の影響を減らすには、地球上の人口を減らすべきだと、われわれが(あるいは、われわれの代わりに自然が)決断したときに直面する問題である。…人間が考え出したほぼすべての経済の尺度は、成長するか否かで定義されてきた。…
だとすれば、もしも人間の数が減り、必要となる住宅と物資が減ったら、どうなるだろう? より小さな社会への移行期間中に、年々消費者が減り、非生産的で困窮した過剰な高齢者を支える社会保障費を払い込む労働者が減ったら?
そして、補給可能なペースで資源を獲得してリサイクルできる最適な人口に実際に到達し、人間を養う地球との均衡が達成できたら、どうなるだろう? そのような理想的水準を維持するということは、それ以上は決して成長しないことを意味する。
それは可能だろうか? 人間は成長なしに繁栄できるだろうか?
日本は否応なく、それを試みる最初の近代社会になる」
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商品情報
- シリーズ
- 滅亡へのカウントダウン
- 出版社
- 早川書房
- 掲載誌・レーベル
- 単行本
- 書籍発売日
- 2013.12.18
- Reader Store発売日
- 2014.02.28
- ファイルサイズ
- 3.1MB
- ページ数
- 368ページ
- シリーズ情報
- 既刊2巻
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この作品のレビュー
平均 4.3 (7件のレビュー)
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人口の抑制に成功した国はどこか?
本書の日本語版でアラン・ワイズマンは日本を訪問した21カ国の中で特に重要な国として取り上げている。先進国で初めての人口減に苦しみ、そしておそらく最初に少ない人口への移行を完成させる国だからだろう。ちな…みに人口構成は20〜25年後に逆ピラミッドになり50年後には8千万人台にまで減る。多少の子育て支援では全く追いつかず、移民を受け入れるとしても1千万人単位が必要なのでこれも恐らく無理だろう。どうやってソフトランディングさせるかを考えるしかない。人口減には良い側面もあり例えばエネルギー需要は今の6割ほどに落ちる。脱原発はおそらく時間とともに問題なく進む。一方でインフラの維持は大問題になるはずだ。ここでもなにがしかのイノベーションが必要になるのだろう。
経済学者は人口減の経済的なマイナスを指摘し、恐らくそれは正しい。しかし経済学者の世界は増え続ける人口のマイナスは無視している。また天然資源の採掘をGDPに載せているが天然資源というバランスシートの毀損は無視していることになる。それでも急激な人口減は社会的な問題が大きくなるので減少速度をゆるめてショックを和らげる方策は必要になるのだろう。例えばそれはこの本で紹介されている介護ロボットだったりコウノトリが戻って来た水田だったりー米の値段は通常の倍だーするのかもしれない。里山の良さや田舎暮らしのよさも紹介されていてそれもわからなくはないが社会インフラが今より悪くなるのを受け入れられるのか?それでも大量の移民よりは受け入れられやすいだろうというのが個人的な予測だ。移民で経済発展するアメリカはカリフォルニアやコロラド川などの水不足という大きな弱点を抱えている。例えばヒューストンでも使っているのはダラスなどから出た再処理水だ。
100年ちょっとで人口が100倍になり女性一人あたり9人に達した出生率をわずか10年ほどで2.1人にまで驚くほど順調に下げた国がある。スローガンは「一人なら上出来。二人いれば十分。」意外なことにその国はイランだ。革命後のイランでは軍隊の強化のため出産は奨励されていた。しかしあまりにも急激な人口増加は財政を破綻させかねなかったためホメイニも産児制限を認めた。元々イスラムでは母体の保護が認められており、出産間隔をあけることはタブーではない。イランの家族計画プログラムが成功した最大の要員は女性の教育だった。2012年には女性の識字率は96%に達し、大学生の6割超が女子学生だ。イラン政府職員の1/3も女性になっている。女性も教育を受けるのが当たり前になると教育の費用が問題になり、子供は少ない方が有利になる。人口が爆発的に増える発展途上国では子供の死亡率が高く、例え一人当たりの食料が十分に足りていなくても多くの子供を産み何人かが生き残るのを願うケースが多い。またそう言った世界ではだいたい必要とされるのは男で女性の家庭内での地位は低い。子供は働き手としても求められるのだが最終的には相続される土地は狭くなりそこから取れる食料でまかなえる人数は減り貧困が連鎖する。
カトリック教会は中絶を禁止するだけでなく家族計画や産児制限にも強く反対している。結果としては闇の中絶で死亡する母親が増えてしまっているのだが。「産めよ、増えよ、地に満ちよ」増え過ぎてしまったときの答えは神がなんとかしてくれるというのでは救われないなあ。人口の抑制についてはカトリック教会よりも中国共産党の方が方法はどうあれ優秀だというのも皮肉な話だ。人口増加が止まったとしても一人当たりの豊かさが増えれば生態系への影響は増える。どう転んでも誰もが幸せになれる解決法は無さそうなので何世代もかけて我慢しながら負担するしかないようなのだ。カウントダウンは続く。それでもゆっくりとカウントさせることくらいはできるだろう。
続きを読む投稿日:2014.05.01
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読了。
僅か1世紀前に20億だった人口は、今世紀中に100億を超える。
20億人しか養えない地球と言う資源に於いて、グローバリゼーションの波が押し寄せると何が起こるのか?
考えたく無いが、極めて不安定…な世界が訪れる事は必至だろう。
先進国で初めて人口減少を体験する日本は、何らかの方策を世界に明示出来るのだろうか?続きを読む投稿日:2015.09.24
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