一歩を越える勇気
栗城史多(著)
/サンマーク出版
作品情報
「人に感動してもらう冒険を行い、一歩踏み出す勇気を伝える」。
人が生きていけないデス・ゾーンといわれるヒマラヤ8000メートル峰から、インターネット生中継を行い「冒険の共有」を目指す登山家・栗城史多の初の著書。
世界7大陸最高峰の単独登山や、8000メートル峰の単独・無酸素登山を通して学んだ「夢のかなえ方」「あきらめない生き方」をつづったこの本は、ビジネスマンや学生からも多くの感想が寄せられ、単なる冒険本としてではなく、人生そのものに役立つ本として支持を集めている。
栗城史多はなぜ山に登るのか、なぜ命をかけて生中継をおこなうのか、彼の思いを知りたい人、達成したいと思う目標が1つでもある人は、必読の1冊。
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商品情報
- シリーズ
- 一歩を越える勇気
- 著者
- 栗城史多
- ジャンル
- スポーツ・アウトドア - 登山
- 出版社
- サンマーク出版
- 書籍発売日
- 2009.12.25
- Reader Store発売日
- 2014.08.06
- ファイルサイズ
- 2.4MB
- ページ数
- 191ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (114件のレビュー)
-
エベレスト無酸素・単独登頂の夢。しかも中継まで試みるとは。私にとっては、画像より本を読ませていただいた方が、より苦しみや恐怖感が伝わりました。
栗城さん、わがままでカッコイイです。投稿日:2021.08.28
栗城史多(1982~2018年)氏は、北海道生まれ。2002~09年に、6大陸の最高峰(北米・マッキンリー、南米・アコンカグア、ヨーロッパ・エルブルース、アフリカ・キリマンジャロ、オセアニア・カルステ…ンツピラミッド、南極・ビンソンマシフ)、世界6位の高峰チョ・オユー(8,201m)、7位の高峰ダウラギリ(8,167m)に登頂し、その後、2009~17年にエベレストに7度挑む(様々なルートで)も敗退、2018年に8度目の挑戦に失敗した下山中に滑落死した。35歳没。「単独無酸素」を謳うとともに、自らの登山の様子をインターネットで生中継することを掲げ、また、「冒険の共有」をテーマに幅広く講演活動等も行った。
本書は、栗城氏が2009年9月にエベレストに最初に挑んで敗退した直後に出版された。(2009年12月出版、2013年文庫化)
目次は次の通りで、実際の登山の様子・記録については、2004年のマッキンリー登頂、2009年のダウラギリ登頂、同年のエベレスト敗退のときのものが、挿入されている。
第1章:「自分の限界」という壁をなくす 第2章:なぜ僕は山を登るのか 第3章:世界の屋根と日本の空をつなぐ 第4章:見えない山を登る 第5章:空のように青く、宇宙のような無限の心を描く 第6章:エベレスト単独・無酸素登頂へ
私は、栗城氏について、高所登山をインターネット中継する新世代の登山家で、エベレスト登頂を果たせずに遭難死したこと、また、新しいタイプであるが故に、生前から様々な称賛と批判を受けていたこと、そして、河野啓氏が2020年に発表したノンフィクション『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』が賛否両論を巻き起こしたことは認識していたが、つい先日、その『デス・ゾーン』を読んで、栗城氏本人が書いたものも読んでみたいと思い、本書を手に取った。
読み終えて、まず、本書を読む意味はあったと思った。というのは、『デス・ゾーン』に書かれていなかったことがわかったということではなく、自分なりに栗城氏(の一面)が理解できたからである。
栗城氏は、本書の中で、驚くほどポジティブである。自己啓発・人生論の本として読むとすれば、とても刺激的で、こうした内容を語るのであれば、様々な講演に呼ばれたことも、大いに納得できる。ただ、一点気になるのは、これが書かれたのが、栗城氏のキャリアのピークの時点だった(直前の1度目のエベレスト挑戦は敗退したものの、本書の最後でも、翌年にリベンジを果たすと高らかに宣言している)ということだろう。
『デス・ゾーン』では、本書の内容を引用して、栗城氏のポジティブな面に触れつつも、寧ろ、本書からは読み取れない栗城氏の別の一面と、この時点以降の(エベレスト挑戦に敗退し続ける)栗城氏の苦悩とが、主題として描かれている。そして、それ故に、「この本は、ディス(る)・ゾーンだ」、「死んだ人に人権はないの!!!!」等という激しい批判も受けたという。
私は本書を書いた栗城氏が虚像だとは思わないし、『デス・ゾーン』に書かれたことが栗城氏を著しく貶めるとも思わない。人は、場面や相手によって違う姿を見せることもあるし、ましてや、時が経てば本質的な部分さえ変わり得るだろう。
私が2冊の本から学んだことがあるとすれば、人間とは本来そのようなものなのかも知れないということで、そういう意味では、栗城氏はとても人間らしく生きて、去って行ったと言えるのかも知れない。
(2024年5月了)続きを読む投稿日:2024.05.14
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