子どもたちはなぜキレるのか
齋藤孝(著)
/ちくま新書
作品情報
「荒れる」段階から「ムカツク」段階を経て、この数年は「キレる」現象が顕著である。ふだんはおとなしい若者たちが些細なことに「ムカツキ」、瞬間的に「キレる」ようになってしまったのである。怒りや暴力それ自体は、かくべつ目新しいものではない。では「キレる」ことの、どこが新しいのだろうか。個性尊重と管理強化の間をゆれ動く既成の教育論に楔を打ち込み、〈腰肚文化〉に代表される伝統的な身体文化の継承を提案する。
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商品情報
- シリーズ
- 子どもたちはなぜキレるのか
- 著者
- 齋藤孝
- 出版社
- 筑摩書房
- 掲載誌・レーベル
- ちくま新書
- 書籍発売日
- 1999.08.20
- Reader Store発売日
- 2014.07.30
- ファイルサイズ
- 0.5MB
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この作品のレビュー
平均 3.7 (9件のレビュー)
-
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480058119/
投稿日:2017.04.16
「キレる」ということばはもう定着してしまったようです。少し前なら頭が切れるというとすごく頭がさえている人のことをさしていました。良い意味で使っていました。でも、今は違っています。「堪忍袋の緒が切れる」…というのともちょっと違うようです。「ムカツク」ということばもよく使われます。「キレる」は「ムカツク」が度をこしたときにやってくる状態なのでしょうか。「腹が立つ」と「ムカツク」はやはり少し違うのでしょうか。「憤る」なんてことばはもう死語ですか?いろいろな状況でストレスがたまることが多いと思います。それに耐えられなくなると「キレる」のかも知れません。その忍耐力が減ってきているのは確かでしょう。ある程度のストレス、緊張感のある中ではじめて、力がついていくものなのですが。勉強もスポーツも。その緊張感に耐える術を指導してこなかったのかも知れません。「がんばる」ということばを聞いてどう感じますか?あいさつがわりに「がんばれ」なんて言いますが、具体的に何をどうするのでしょう。その具体的な方法がすっかり抜け落ちています。著者はそこに身体論を持ち出します。「腰はら文化」の復活・・・腰を据える、腰を落ち着ける、腰が引けている、はらをくくる、はらがすわっている・・・など、腰やはらを使ったことばは多く存在します。が、どんどん使われなくなっています。これは、腰やはら(下腹部・丹田)が人の体の中で重要な部位であると感じていた昔の人たちが作り出したことばでしょう。これは一種の文化です。ところがその文化が消え去ろうとしています。著者はそこに問題点を見つけだそうとします。長島茂雄、サッカーの中田英寿、芝居の野田秀樹などを具体例に体について考えていきます。みな、体のバランスがよい。腰がすわっている。子どものころの相撲ごっこも大切なようです。そして最後呼吸法に行きつきます。この呼吸法簡単なのでやってみる価値はあると思います。3秒吸って2秒止め、15秒ではききる。これを5回くらい繰り返す。息を吸うときには下腹に力を入れる(腹式呼吸)。頭がすっきりして、勉強もはかどり、きっと「キレる」ことも少なくなるでしょう。続きを読む
投稿日:2015.11.15
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