ウルトラマラソンマン 46時間ノンストップで320kmを走り抜いた男の記録
ディーン・カーナゼス(著)
/ディスカヴァー・トゥエンティワン
作品情報
この男、いったいぜんたい、どうしてここまで走るのか?
GQ誌で「2004年度驚愕の肉体」に選ばれたディーン・カーナゼスにとって、42.195kmのフルマラソンはウォーミングアップに過ぎない。彼は人間が走れる距離の極限に挑む。例えば320kmの駅伝レースを2晩徹夜して一人で走り抜く。50℃のデスバレーを横断し、マイナス40℃の南極を駆け抜ける。
彼の冒険は想像を絶するものだが、思わず笑ってしまうおかしみも兼ね備える。深夜走りながらファーストフードのドライブスルーで、「クルマがないから」と食べ物を販売してもらえない。気付けば走りながら眠ってしまい、高速道路の真ん中で車のヘッドライトが目の前に迫ってくる! などなど、エピソードに事欠かない。
『筋肉』の著者サム・ファッセルによれば、ディーンは「最強の小さな機関車」だ。「何が彼を突き動かすかを説明できるのは彼自身しかいない。石炭でも薪でもなく、心と純粋な意志で彼は走る。ディーンの走りは、会社生活やつまらない都会生活からの逃避ではなく、自己のアイデンティティーや存在意義を必死に確認するための行為である」と述べる。
ディーン・カーナゼスの固い信念は、賞賛や栄冠を求めてのものではなく、あくまでも限界への挑戦だ。人生がどう転がろうとも、走ることで自分が望むところへたどり着ける。それは物理的な場所だけでなく、精神的な到達点も含めて。
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商品情報
- シリーズ
- ウルトラマラソンマン
- 著者
- ディーン・カーナゼス
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 書籍発売日
- 2012.02.15
- Reader Store発売日
- 2012.04.06
- ファイルサイズ
- 1.8MB
- ページ数
- 294ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (21件のレビュー)
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199Kmを走った後子供とジェットコースターに乗る男は翌日7時45分に出勤する
世界一有名なウルトラマラソンランナーのディーン・カーナゼスの自伝。高校時代にクロスカントリーをやっていたディーンだがコーチの引退もありトラック競技のチームに入った所コーチの方針と合わずやめてしまいその…後15年間は一切走るのをやめてしまった。そして高校大学は遊び歩いていたが妹の事故死をきっかけに学業に励むようになる。その後高校時代の彼女と結婚し会社では順調に出世し30才の誕生日を迎えた日のことだった。これまで仕事に明け暮れたのがふいにばからしくなり無駄に時間を過ごしていたように感じた。その夜友人達と集まり妻のジュリーが先に帰った後、初対面の若い女性と浮気しそうになる。
どこでスイッチが入ったのかは読んでいてもよく分からない。しかし、ディーンは会場を抜け出し家に戻るとベッドにはもぐり込まず、仕事のために自分のやりたいことを我慢することをやめると決めた。そして、シャツとトランクスだけになってすねまで有るビジネスソックスを折り曲げ、スニーカーをはいてそのまま走り出した。そしてそのまま7時間かけて30マイル(48km)を走った。
ディーンが普通の市民ランナーからウルトラマラソンにのめり込むきっかけになったのは坂道を自分ではいいペースで走っていると思っていたのにバックパックを背負った2人組の軍人に追い抜かされ、折り返した彼らとすれ違い、さらにもう一度追いつかれたときのことだった。二人は坂の上でいきなり腕立て伏せを始めた。ウエスタンステーツ100という耐久マラソンに出るトレーニングをしていたのだ。このレースは元々山岳長距離競馬だったのが1974年レース直前に愛馬が故障したゴーディー・アインスレーと言う男が馬なしで参加したことに始まる。23時間42分後彼は100マイルを完走ししかも最下位ではなかった。(今では15時間を切るレコードが出ている)場所はサンフランシスコからレイク・タホに向かうR80に沿った山の中をスコー・バレーというオリンピック会場になったスキー場からスタートしシェラネバダ山脈の西、オーバーンまでを24時間以内を目指しノンストップで走る。スタート地点が1899mで朝5時スタートで2時間後には最高点2656mまで登り(気温3℃)雪道で何人もが転んでいる。初めての挑戦のため靴下をぬらさない工夫も知らずあっという間に足が豆だらけになった。治療はメスで切り速乾ボンドとダクトテープで固めるだけで走り続ける。
76km地点のチェックポイントを出たのが15時半で気温は38℃、高度は1200mそこそこまで下がっている。このレースの累積高度は11400m普通は登山というべきだろう。日が沈むのが夜の8時半で75マイル地点でとうとうディーンをこの世界に巻き込んだ2人組に追いつく。足の治療をしようと見ると親指の爪が剥がれていた。次の10マイルでは夜盲症になり見えなくなる。エイドステーションでどうやって走り続けようかとしているうちにちょっと食べたら目が復活し何とか走り続ける。94マイルの最後のチェックポイントを出て1マイルほどで道を踏み外し、窪地に落下ししかも道を間違えて1マイルほど余分に走る。ぼろぼろの体力では1マイルのロスと崖を登るのはつらい。残り1マイル地点までの坂道を上りそこで待っていた父親にあった所でついに立ち上がれなくなる。「息子よもし走れないのなら歩きなさい。歩けないなら這ってでも進め。やるべきことをやりなさい。前に進むんだ。決して諦めるな。」一度は這って、そしてついに立ち上がりゴールにたどりつく。21時間1分14秒は初参加としては立派な15位だった。
この耐久レースがかわいく見えるレースにディーンは次々挑む。翌年はデスバレーを横断するバッドウォーター・ウルトラマラソン。辰場最高気温50℃を超えるデスバレーを135マイル走る。ランニングシューズは1時間もしないうちに底が溶けた。初年度は17マイル地点のガソリンスタンドでバッドウォーターを飲んでしまい、30マイルで脱水症状が始まる。そして72マイルで倒れリタイアした。ディーンは翌年は完走し03、04年と連覇している。
2002年には南極点マラソンに挑戦しランニングシューズで走った。ゴールまで9時間18分。翌日にはついでに世界で初めて全裸で世界一周(南極点のポールの周りを回る)もした。
2000年からは199マイルを通常は12人が各3区を走るレースに出ている。金曜の午後仕事を終えてから46時間走り通し、その上で子供達に付き合ってジェットコースターに乗る。
どこまで行けるか知りたいから走る。ランニングは、僕が最も得意なことで世の中に恩返しする方法だから、僕は走るのだ。だと続きを読む投稿日:2014.03.04
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スタートラインに立つことは偉業だと思う。ゴールした時には別人になっているだろう。
ランニングファンならモチベーションアップとなる名言を発見できます。
投稿日:2014.01.08
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