「男」という不安
小浜逸郎(著)
/PHP新書
作品情報
男が「弱くなった」「危なくなった」といわれて久しい。ここ数年、マスコミをにぎわす社会問題の主役は、大半が「男」である。未成年の殺人犯は大部分が男である。「ひきこもり」も、ほとんどが男だ。「もてない男」「結婚できない男」も増えている。ハゲ・コンプレックスに悩む男も話題に上る。精子が減少し、セックスレス・カップルが増加しているともいわれる。中高年に目を転じても、仕事に疲れたリストラおじさんや、家庭に居場所を見つけられない帰宅拒否症候群、自殺者の増大など、暗い話題が多い。いったい、何が彼らをそうさせているのか。他方、いまの日本の女たちはもはや男など頼りにせず、決然と自立を目指しているかのように多くのメディアは報じる。だが、それはほんとうなのだろうか――。現代日本の男たちが直面している困難を多面的に照らし出し、いまあらためて再考されるべき「男の値打ち」「男の生き方」を模索する真摯な論考。
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商品情報
- シリーズ
- 「男」という不安
- 著者
- 小浜逸郎
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP新書
- 書籍発売日
- 2001.04.27
- Reader Store発売日
- 2011.04.08
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 2.7 (3件のレビュー)
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反フェミニズムの論陣を張っている著者が、現代において「男」として自己形成することの問題を論じた本です。
フェミニズムの論者は、「男らしさ」「女らしさ」といった規範は社会的につくられたものにすぎないと…主張し、こうした窮屈な制度に縛られず「自分らしさ」を追及するべきだと述べることが多いと著者はいいます。これに対して、力ある存在としての「男」、優美な存在としての「女」という文化象徴的な差異には自然的根拠があると著者は主張します。とはいえ著者も、「男」と「女」の間に価値の優劣があると考えているわけではなく、ただ自然的な事実として差異が存在しており、もし男と女の間に単なる解剖学的な差異しかないのであれば、そのうえに「男らしさ」「女らしさ」という文化的・社会的差異が築かれるはずがないと論じられます。
つづいて、現に社会のなかで「男」と「女」の間の文化的差異が存在するという認識に立って、こうした社会のなかで「男」として自己を形成するときに直面する困難や、社会の中で「男」に期待される役割について考察しています。
むろんこうした著者の立場に批判的な読者もいることでしょうし、わたくし自身も必ずしも納得しているわけではないのですが、われわれが現に暮らしている社会の中で「男」が直面する問題を率直に見つめようとする著者の姿勢からは、立場の相違を超えて学ぶべき問題があるということまでは否定できないのではないかという気もしています。現に「男」たちが抱え込んでいる問題を単に切り捨てるのではなく、理想とは程遠いこの社会の中で現に自己形成をおこなってきたわれわれがこれからどのように生きていけばよいのか、という問いかけは、著者のような実存的な立場を守ろうとする論者でなくとも、なお考えていかなければならない問題ではないかと思います。続きを読む投稿日:2017.06.30
あまり心惹かれないタイトルの本だったのだけど、けっこう面白かった。
「男」ってなんだったのか、これからの時代求められている「男」ってどんなんだろうか?
と相対的に見てみることも大切ですよね。投稿日:2012.04.16
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