孤独を生ききる
瀬戸内寂聴(著)
/光文社知恵の森文庫
作品情報
人はひとりで生まれ、ひとりで死んでゆく。恋人がいても、家族に囲まれていても、しょせん孤独。群れていても、若くとも、老いても孤独。本当に自分が孤独だと感じたことがない人は、真に人も愛せない。孤独と向かい合い、飼い馴らし、新しい自分と出会える人だけが人生に輝く道を発見する。孤独を生ききるにはどうすればいいか。答がこの本にある。
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商品情報
- シリーズ
- 孤独を生ききる
- 著者
- 瀬戸内寂聴
- 出版社
- 光文社
- 掲載誌・レーベル
- 光文社知恵の森文庫
- 書籍発売日
- 1998.10.01
- Reader Store発売日
- 2010.12.01
- ファイルサイズ
- 0.2MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (27件のレビュー)
-
1.著者;瀬戸内寂聴さんは、瀬戸内晴美として文壇にデビュー。51歳の時、出家し、寂聴という法名に変えました。晴美時代に純文学作家として活躍しました。「夏の終わり」で女流文学賞、「花に問え」で谷崎潤一郎…賞を受賞など、数々の賞を受賞しています。仏門に入ってからは、執筆のかたわら定期的に法話活動をこなしていました。さながら、売れっ子タレントの如く、法話当日は大勢の聴衆が会場を埋めていたようです。
2.本書;著者は70歳の頃にこの本を書いています。執筆や法話活動を、精力的にこなしていた時期です。内容は、「第一夜;孤独とは」~「第十三夜;孤独を生ききる」の十三話構成です。寂聴氏を尋ねてきたきた人々の悩みに答えるという形です。人生を達観した見識を元に、相談者の悩みに答えています。本書は、数十回の版を重ねており、長期に亘って読み続けられています。
3.個別感想(私の琴線に触れた書中記述⇒3点);
(1)第二夜から、「挫折感の深い人はその分、愛の深い人になります。・・・何の傷もつかず、挫折を知らず育った人は、思いやりのない、自己本位の人になりがちです」
●感想⇒私も、著者の人に対する見方には同感です。寂聴氏に比べれば、人生経験は希薄ですが、学校や会社等で、様々な人との出会いました。総じて、何かしら挫折(苦労)した経験のある人には、相手の立場に立った言動で、思いやりを感じました。挫折経験のない人は、先人の言動や読書の疑似体験を通して、学べばよいと思います。余談ですが、結婚相手を決める時は、相手の家に出向いて、親族に対する態度をウォッチする事です。私は、親族にぞんざいな口の利き方をする人を信用しません。
(2)第四夜から、「自分の考えを人に押しつけないことです。親切や優しさの押し売りくらい、相手にとって迷惑なものはありません」
●感想⇒著者の考えは、ある程度理解出来ます。しかし、私は、時と場合によって使い分けるのが良いと思います。例えば、大学選びに迷っている人に対しては、××大学がよいと決めつけるのでは無くて、選択肢を与え、決定は本人に任せれば良いでしょう。何事も見て見ぬ振りは好ましくありません。
(3)第五夜から、「孤独でないと出来ない愉しみを思い出して下さい。それは読書です。絶対人に踏み込まれないのが本を読むことです。それから書くことです。書くことも孤独な作業です」
●感想⇒読書は、孤独との最高の付き合いです。人間は究極のところ弱い生き物です。人生には思い悩む事が必ずあります。その時には、孤独になりがちで、何かにすがりたいものです。親族、友人、知人、宗教・・・人によって様々でしょう。私は、読書(座右の書)によって、解決のヒントを探ります。書く事も嫌いではないので、ブクログのレビューは、一つの癒しになっています。
4.まとめ;
著者は、一般人と違い、仏門に入る前に、結婚・離婚・不倫・出家と多彩な経験をしています。私から見れば、自由奔放な生き方をしてきた女性という感です。それが故に、著者自身が、言うに言われぬ孤独を味わったのかもしれません。書中にも、愛・愛人という記述があり、コメント困難な点もあります。但し、前に書いたように、共感と教訓に満ちた記述も多くあり、読んでよかったと思います。余談ですが、タレント気取りが鼻持ちならぬ反面、過去に、著者の本の一部が東大入試(国語問題)に採用されたと、聞きました。その文章力は折紙つきで、純文学としての、レベルの高さを支えたのでしょう。続きを読む投稿日:2021.07.21
不倫を肯定しているように感じてしまい、あんまり惹かれなかったです。
自分はいくら愛していても不倫はダメと考える人なので話に共感できなかったです…
有名な方の本なので読んでみましたが、年配の方の話も多く…、私と同じ20代の方はもう少し歳を重ねてから読むべきなのだと感じました。続きを読む投稿日:2024.04.24
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