教育鼎談 子どもたちの未来のために
内田樹(著)
,寺脇研(著)
,前川喜平(著)
/ボイジャー
作品情報
未来の世代に、どのような教育を手渡すべきか?
なぜ学校は変わらないのか、ゆとり教育で学力は低下したのか、不登校をなくすためには?
学びの現場、行政の現場で昭和・平成の教育と向き合った3人が、未来が求める教育を説く「開眼の書」。
【目次】
・教育とは太古的なシステムである
・高学歴一辺倒の終わり
・学校教育は缶詰工場ではない
・学術は公共のもの
・バイパスがあると学校に来なくなるのか
・学校選択するなら一国二制度
・落ちこぼれと浮きこぼれ
・スケープゴートになった大学
・教育予算を増やさない理由
・令和の新合併論
・進路は子どもに選ばせよ
・子どもに休息を、学校に余白を
【著者】
内田樹
1950年東京都生まれ。思想家・武道家、神戸女学院大学名誉教授、凱風館館長。東京大学文学部仏文科卒業。専門はフランス現代思想。著書に『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書、第6回小林秀雄賞)、『日本辺境論』(新潮新書、2010年新書大賞)他多数。第3回伊丹十三賞受賞。
寺脇研
1952年福岡県生まれ。映画プロデューサー、映画評論家、落語評論家、京都芸術大学客員教授。東京大学法学部卒業。1975年文部省(当時)入省、2006年退官。著書に『国家の教育支配がすすむ 〈ミスター文部省〉に見えること』(青灯社)、『危ない「道徳教科書」』(宝島社)他多数。
前川喜平
1955年奈良県生まれ。東京大学法学部卒業。1979年文部省(当時)入省、2016年文部科学事務次官に就任。2017年1月退官。現在は自主夜間中学のスタッフとして活動する他、講演や執筆も行う。著書に『面従腹背』『権力は腐敗する』(共に毎日新聞出版)他多数。
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この作品のレビュー
平均 3.5 (3件のレビュー)
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楽しみにしていた本が連休前に出た。即購入。最後まで一気に読みたかったが、図書館で借りた「春の城」があったので、途中中断してしまっていた。で、前半読んだ内容を忘れてしまっているのだが、ツイートしているも…のをたどってみよう。1章読んだ。いろいろ教育行政の内情がわかる。進路指導するときも、なかなか先まで見据えるのは難しい。看護とか薬学とか希望者は多い。でも国家試験は難しいのだろうし。ちゃんとみんな資格をとって働いているのだろうか。養老先生の言う「バカの壁」の本来の意味は分からないけれど、内田樹先生の言う「自己限定のロック」もそれに当たるような気がする。小学校4、5年生にはちょっとかわいそうかなと思いながら「『分からん』言うても分かるようにはならん」といつも言っている。自分が誰かにとっての「取り付く島」でありたい。いろんなタイプの先生がいることで、生徒はその中の誰かに認めてもらえる可能性が出てくる。1つでもそういう島があると良い。1983年アメリカの公立高校で、毎朝胸に手を当てて「I pledge allegiance to the flag of the United States of America・・・」と言わされていたのはなんだったのか。意味もわからずに見よう見まねでやっていたけれど。こうやってなんとかアメリカは1つにまとまろうとしていたのだと思う。おー、この内田先生が言っている京田辺市のシュタイナー学校は中村先生がやっているところではないか。ほんのしばらくの間だがいっしょに仕事をさせていただいた。教育格差で4大卒云々という話は、1975年頃からもう成り立っていないのではないのか。もっと増えるはずの4大への進学は頭打ちになっているのだ。その理由をしっかり考えるべきだと思う。なんとこんなことがあったのか。このあと「安全保障技術推進制度」についての説明があるページの写真を載せている。予算が3億から6億、そして110億とは。良心を信じるしかない。「世界の成り立ちについての本当に重要な知見を含む情報には原則課金するべきではないと僕は思います。ネットを見ていて、リードを読ませた後に『ここから先は有料記事』という表示を見るといらっとする。」内田先生のこのことばにはむちゃくちゃうなずいた。手塚治虫の偉大さが分かった。「教壇に立つ人に必要な条件は1つしかないと僕は思います。それはこの『教育の奇跡』を信じるということです。」数字でははかれない奇跡、僕は信じています。それと「いつも機嫌良くしていること」こちらも肝に銘じています。しかし、これがなかなか守れないのです。ルーティンチェックに入れているのだけれど。「学びって、飢えや渇きのようなものですから。内発的なものなんです。突然どうにも我慢できなくなって、貪るように学び始める。」「何かの拍子にスイッチが入って、いきなり学びが起動する瞬間に立ち会うことがあるんです。これは本当に感動的な経験です。」これは小学生でも中学生でも同じこと。僕も何度も感動を経験してきた。だから30年以上続けてこられたのだと思う。あと3年で定年。その後はいろんな意味で数字にとらわれないで教育に関わっていきたい。「あとがき」によると寺脇さんは河合隼雄先生といっしょに仕事していた期間があったのだ。それはまたなんと幸せなことだ。うらやましい。僕にもそんな奇跡のような出会いがきっとまたいつかあるだろう。続きを読む
投稿日:2022.05.06
子どもたちの未来のために
https://mitsui-publishing.com/product/kyouiku-teidan投稿日:2023.04.15
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