【感想】聖女と悪魔の終身契約

水守糸子, 夏目レモン / 富士見L文庫
(2件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
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ブクログレビュー

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  • こけし

    こけし

    少女小説好きの方は必読の一冊。とにかくクロエがスパダリ過ぎてカッコいい!
    物悲しい世界観でありながらも、ダーク過ぎるような凄惨さは描写を控えめにしている影響でそれほどダメージがない。文章から香ってくるのは切なく儚いキャラクターたちの人生観です。
    ヒロインのエマとクロエの二人はお似合いカップル。この先、エマが肉体的にも精神的にもタフになってくれるとなお良し。
    気に入ったので、シリーズとして続いてほしいと思います。
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    投稿日:2023.05.20

  • いこ

    いこ

    このレビューはネタバレを含みます

    冒頭の6歳らしからぬ会話に違和感はあったが、タネが割れてみると納得した部分もあり。
    他にも何故あの場に退魔師がいたのかも、今から考えていると既に伏線は張られていたのだなと驚く。

    千年を生きる魔物と契約をし、彼の力を退魔師として使う元王女のエマ。
    目的は、消えてしまった妹を探すため。
    傷を負うことなく魔を祓う聖女として担ぎ上げられている彼女だが、彼クロエに大部分の魔力を常に食われているため虚弱体質。
    男性っぽい喋りをするくせに、下手すると何日も寝込んでいるようなキャラで、そのギャップが愛おしかった。

    一方のクロエ。
    エマのことを甘やかしているようで、言うことは聞かなかったりする。
    それでいて変に律儀な部分もあったり。
    なかなか読めないキャラ。
    「はあい」って返事するところは可愛いんだけども。
    エマに執着しているというより、エマの魂に執着している。
    何しろ初代の彼女が強烈すぎたから……怖いよ、オフィーリア。
    そりゃ忘れられまい。

    登場するどのキャラもキャラ立ちしているので、読んでいて面白かった。
    個人的には情報屋のカササギさん推し。
    後半はあまり出番なかったので、もう少し出番欲しかった。
    エマの妹の件、てっきり今後も追いかけていく展開になるのかと思いきや、この1冊で片が付いたことには驚いた。
    この妹の件は前述通り、割と初期から伏線が張られていて、そう来たかと本当にびっくりした。
    本編中の他の事件は分かりやすいくらい露骨だったのに、伏線。

    分かりやすい伏線がある一方で、エマとクロエの関係性は読み終えても一言では説明できないなと。
    契約主とその下僕という単純なものではない。
    恋愛関係のような、家族愛のような、信用しているようでしていないような、でも唯一無二の相手というか。
    ただ見ていて飽きない、コントのような二人の会話が好きなので、これからもそんな会話を繰り返しながら、単純ではない関係性を深めていってほしいと思う。
    願わくば、自ら命を散らすことのないように。
    他の歴代の「彼女」たちと同じようにはならないようにと。

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    投稿日:2023.05.13

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