【感想】人間の性はなぜ奇妙に進化したのか

ジャレド ダイアモンド / 草思社
(59件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
8
15
24
3
0
  • 生き物のなかのひとつとしての人間

    『銃・病原菌・鉄』、『文明崩壊』、『昨日までの世界』のジャレド・ダイアモンドが三部作の前に書いた本です。
    他の動物の霊長類や他の動物と比べると、人間の結婚という制度は実に奇妙です。「奇妙」という言葉が悪ければ、生物のなかでは少数派と言ってもいいでしょう。人間と生物学的に近い種に限っても、人間のような「再生産システム」を採用している動物はほとんどいません。なぜ人間はこのような制度を採用したのか、そしてその時期は進化と分岐の途上でいうとどの時点なのかを論じています。三部作でいえば『昨日までの世界』に比較的近い内容でしょうか。第一作である『若い読者のための第三のチンパンジー』を発展させた内容とも言えます。
    実証というよりも思考実験と論証という感じで論が進むので、気になる人は気になるかもしれません。また進化論が受け入れがたかったり、人間も動物の一種であると考えることが許せない人も読まないほうが良いでしょう。
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    投稿日:2016.11.25

  • なぜ女性は閉経するのか? ハーレム型からなぜ今の形に?

    男性の乳からミルクが出ないことは、当たり前のように思うが、機能的には出ても不思議はない、それでも出ないのはなぜだろう、、、男女や生命に係わる疑問に気づかされ、なるほどと納得することができる。知的好奇心がたっぷり満たされた。
    女性が閉経するのは、死ぬまで生み続けては生んだ子どもが大人になる(自立する)前に死ぬ危険が高い、高齢出産は母親にとっても危険で死んでしまうこともある、先に生んだ育児中の子どもがいるとその命も脅かされる、閉経後の孫育児での女性の活躍、このような理由がある。
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    投稿日:2017.11.15

ブクログレビュー

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  • あじの開き

    あじの開き

    面白かった。特に最初の方の章が良かった。
    蜘蛛とかカマキリとか性交の間、もしくは終わった後雌に雄が食べられる話はもう繁殖することに特化していて合理的だと思った。
    男は何の役に立つのか?の章でもそうだけどこんな感じで論じられると今の世の中の価値観とか無理あるなとか思ってくる。いろんな分野から見ると考え方変わってくるなぁ。中野信子さんの不倫と併せて読むと面白いと思う。続きを読む

    投稿日:2022.09.09

  • masui_desu

    masui_desu

    男性と女性の姓のせめぎあいを、進化生物学の立場から解き明かす一冊。
    最近は男性の子育てへの参加が奨励されるフシがあるけれども、生物学的にはおかしいよね。
    男性と女性で身体的機能も目的意識も本質的には違うんだから。
    ロジカルな考え方でそれを立証していてしっくりときた。
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    投稿日:2022.05.06

  • アナン

    アナン

    主なテーマとして
    女性の乳汁分泌
    隠された排卵
    社会における男性の役割
    閉経
    について書いてあった。
    隠された排卵と閉経の話はとても興味深く、楽しく読めた。ページ数も200ページほどなので比較的読みやすい。続きを読む

    投稿日:2022.04.07

  • 読 伊藤

    読 伊藤

    特に心に残った話


       「なぜ、セックスは楽しいのか?」


    こんなことを考えたこともなかったので、すごく勉強になった。

    答えなんて人それぞれだし、楽しいだけじゃないよ!
    と言う意見もあると思うが、一応、進化生物学とやらの視点からの答えを導き出している。

    章だけ読むというより、最初から順に読んでいくほうが理解が深まると思うので、興味がある方は是非読んでみてほしい!
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    投稿日:2022.04.06

  • りく

    りく

    「銃・病原体・鉄」の作者の本で、著作の中ではかなり読み易い方だと思います。
    様々な生物学的特徴が、異性間のゲーム理論的な戦略によって説明できるのが面白いです。
    根拠、論理展開が明示されている良本だと思います。

    以下面白かった所を列挙

    異性間の戦略を決める要素
    ・どちらが胚に対して大きな投資義務をもっていたか
    ・子育ての選択により別の繁殖機会を失うかどうか
    ・自分が親である事を確信できるか

    なぜセックスを楽しむのか?
    ・排卵を隠すシステム
    →(系統樹の分析)父性を攪乱により子殺しを防ぎ、結果的に乱婚から父親を家にとどまらせる一夫一妻制を可能にした
    少なくうめば、たくさん育つ
    ・女性の閉経システム
    →出産や妊娠により死ぬと、子供がある程度育つ前に死んでしまう。つまり遺伝子を残せない
    →したがって子供を高齢で産むメリットをデメリットが上回る

    続きを読む

    投稿日:2022.02.15

  • Sabu

    Sabu

    進化論をベースとした科学的視点での考察は勉強になったものの、ストレートな答えになっているか、というともやもやしているところもあり、めっちゃいい本とも言えない。

    投稿日:2021.08.11

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