【感想】生贄探し 暴走する脳

中野信子, ヤマザキマリ / 講談社+α新書
(41件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
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15
15
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ブクログレビュー

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  • honmusubi

    honmusubi

    コロナ禍で顕在化した、正義を振り翳し、正義に反するものを生贄として叩く集団心理についての対談。

    誰かが徳をすると自分が損をした気分になるや、強調性という名の蟻地獄、世界でも意地悪行動が突出している日本人、出る杭は打たれる・・・など、なるほどなと感じたが、村八分という歴史的、文化背景も大きく影響していると思う。

    生贄にされないためには、その環境を離れるか、打たれないほど突き抜けるかのどちらかしかないのだなと思った。

    匿名、集団となると生贄(叩く対象)を見つけると暴走する状況について中野氏は、強い危機感を抱いている印象を受けた。
    ヤマザキ氏は、古代ローマ史の知識の広さを感じさせ、海外生活が長いということもあり視野を広げて地球規模で考えると、大したことではないと感じられるというが、集団レベルとなると解決策にならないように感じた。

    正義中毒について、皆が感じていることを二人で言語化しているが、その解決策は語られず、ただ生きにくい世の中だと再認識させられ、インパクトのあるタイトルの割に、二人の雑談で終わっているため、読み終わった後に、物足りなさを感じてしまった。
    続きを読む

    投稿日:2023.08.15

  • まっちゃ

    まっちゃ

    よっぽど気をつけて生きていない限り、いつの間にか自分と違う考え方の人と出会った時に自分を正当化してしまうと思います。この本を読んでそれは良くも悪くも横並びが好きな日本人ならではなのかなと思いました。
    出る杭は打たれるという内容のことわざが他国にはないというのも印象的。いくつになっても他者との違いを面白がって受け入れられるような自分でいたいなと思いました。続きを読む

    投稿日:2023.08.06

  • moody6

    moody6

    このレビューはネタバレを含みます

    ヤマザキマリさんをテルマエロマエの漫画家ぐらいとしてしかしらなかったので、こんなにも知識深く、語る方とは意外でした。
    お二人の話がもりあがってる感じで傍目からみて楽しそう。
    中野さんの、とある言葉があって、そんな視点もって考えているんだ、って驚き。面白い。

    ヤマザキマリさんの5章から、抜粋。
    ‐----------
    本当の孤独というのはそうした生き方のスタイルではなく、他者という鏡に自分が映し出されていないと気づいた瞬間でなければ、実感できないものだと思います。
    ------‐----
    この文章よ、、、

    それは本当の恐怖だよ。恐ろしい。

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    投稿日:2023.05.28

  • あおりんご

    あおりんご

    正義中毒にについて脳科学者とイタリア在住歴の長い漫画家がそれぞれの視点で分析。対談は、ローマ皇帝ネロから中世、現代までの多様性の受容について興味深い内容でした。どうすれば足の引っ張りあいをせずに多様な価値観を認めあって行けるか、多様性の受容に成功した賢帝ハドリアヌスと真性ローマ皇帝フェデリーコ2世の治世方法をモデルにすると他者理解というキーワードが。それを可能にするのは、厳しい境遇で培われたた教養と心の余裕のなせる技なんでしょうか。続きを読む

    投稿日:2023.05.06

  • cinejazz0906

    cinejazz0906

    〝自らを「正義」と思い込んでしまうと、人間はどんなに残酷なことでも心の痛みをあまり感じることなくやれるようになってしまう〟〝誰かの不幸を願う...人間は「誰かと一緒になる」ということを、苦手とする不思議な脳を持っている〟2020年のパンデミック。社会が危機感に覆われ、人々が不安に晒された時期に、脳科学者vs漫画家が「あの人だけいい思いをするなんて許せない!」という〝暴走する脳〟を紐解いた知的対談集。〝自分と分かち合えない意見や思想とぶつかったら、まずはそれを興味深く、面白い現象として受け入れてみて〟続きを読む

    投稿日:2023.04.28

  • *YUKO*

    *YUKO*

    自分の中に湧き上がる正義の“ような”物が正しい事と思わずにいられるだろうか。震える様な使命感に身を任せてしまった事もある。
    今、この本に出会えた事を大切にしたい。
    “他者が自分達を理解するべきではなく、自分達こそ他者を理解するべき”
    日本における“世間体”と言うある意味宗教以上に厳しい戒律。
    今生きている現実を真実で捉えて、『柔らかく』生きていきたい。

    ヤマザキマリさんの選書 エリアス・カネッティ「群衆と権力」
    続きを読む

    投稿日:2023.04.22

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