頭のいい人が話す前に考えていること
安達裕哉(著)
/ダイヤモンド社
作品情報
どれだけ考えても、伝わらなければ意味がない。でも、話し方のスキルだけでは、人の心は動かせない。コンサルで叩き込まれたのは、人の心を動かす、思考の「質」の高め方でした。本書は「頭のいい人」が何をどう考えているかを明確にし、誰でも思考の質を高め、「頭のいい人」になれる方法を伝授します。
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商品情報
- シリーズ
- 頭のいい人が話す前に考えていること
- 著者
- 安達裕哉
- 出版社
- ダイヤモンド社
- 書籍発売日
- 2023.04.18
- Reader Store発売日
- 2023.04.19
- ファイルサイズ
- 26.6MB
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この作品のレビュー
平均 4.3 (140件のレビュー)
-
【読もうと思った理由】
前回のグレート・ギャツビー読了から一週間も経っているが、実は次に読むと宣言した夏目漱石氏の「私の個人主義」を、まだ20ページほどしか読めていない。うーん、かなり良くない状況だ。…実は盆明けから仕事がかなり忙しくなり、土日もほぼ休めていない状況だ。仕事が忙しくなった理由は、新事業立ち上げメンバーが正直かなり少人数での立ち上げなので、一人でこなさないといけない業務が単純に多すぎる。いわゆるオーバーワーク状態だ。それでもまだ事業の立ち上げが、上手くいっていれば良いのだが、課題が山積み状態である。趣味の本というより、仕事の本をここ10日ほどで七冊ほど買い込み、仕事の為に本からインプットし、それを資料に落とし込み、日々ブラッシュアップするという毎日の中で、ここ最近では珍しく、ビジネス書から結構感銘を受けた本が一冊あった。この本であれば、感想を書けると思ったのが理由。この次こそは、「私の個人主義」の感想を書きます。
【安達裕哉氏って、どんな人】
1975年生まれ。筑波大学大学院環境科学研究科修了後、理系研究職の道を諦め、給料が少し高いという理由でデロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)に入社。品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事し、その後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのちに独立。現在はマーケティング会社「ティネクト株式会社」の経営者として、コンサルティング、webメディアの運営支援、記事執筆などを行う。また、個人ブログとして始めた「Books&Apps」が“本質的でためになる”と話題になり、今では累計1億2000万PVを誇る知る人ぞ知るビジネスメディアに。
【感想】
「相手から学ぼうという意識と敬意を持って聞けば、より深い信頼が生まれる」
上記がこの本を読んで、もっとも感銘を受けた言葉だ。正直ビジネス本は、若い頃からかなりの数を読み込んでおり、最初は今更感があったのだが、この本は違った。この本かなり良書である。普段小説やエッセイを中心に読んでいらっしゃる方でも、この本は飽きずに読めると思う。それもそのはず、著者はコンサルを20年以上やっており、現在は経営者だ。また、個人ブログで始めたビジネスブログが、累計1億2,000万PV数は、ご立派以外の言葉が出てこない。ビジネスブログでここまでの数値を叩き出せるということは、つまりは、文章でものを伝えるのが上手いということに他ならない。なので、今年の3月発売のビジネス書では珍しく15万部も売れているのであろう。
事実、本の構成が飽きさせない。それなりの数のビジネス書を読んだことがある人であれば、ご存知だと思うが、大抵の本が最初から1/3ほどは、結構腹落ちすることも書いている。だが半分を過ぎたぐらいから、明らかにページ数を稼ぐ為に書いているなと、素人の僕でも気づくぐらいに、コンテンツの質が落ちる。そんなビジネス書が多い中、この本は珍しく最後のあとがきに至るまで、納得感のある言葉が多い。あと、この本の感想を書けるなと思った理由が、もう一つある。まるで、僕が好きな思想書の様に、自分の思考を深掘り出来る本だと感じたからだ。前置きが長くなってしまったが、本題に入ろうと思う。
感想の最上部に書いた、「相手から学ぼうという意識と敬意を持って聞けば、より深い信頼が生まれる」この言葉は、かなり深い言葉だ。実際の本では、この言葉を数行に渡る形で書いており、この言葉は、僕がより自分に腹落ちしやすいよう、カスタマイズした言葉だ。なので、本書をいくら探しても、まったく同じフレーズは出てこないので、そこはご注意くださいませ。
著者もそうであるが、日々他者とのコミュニケーションを生業として仕事をしている身として、この言葉は刺さりまくった。聞き手になった時に相手に対して敬意を持つことも、相手から学ぼうとすることも、相手によっては、自然に素直に出来る。だが、ビジネスで関わるすべての人となると、急にハードルがめちゃくちゃ上がる。そう、中には偏屈な人もいれば、人の話などまず聞かない頑固な人も意外に多い。著者は、それがクライアントであれば、選り好みせず、すべての人にその態度で接するべきと言っている。言っていることは至極正論であるし、ごもっともなのだが、実際謙虚な態度は出来ていても、本気で頑固な人から学ぼうという姿勢では、現状聞けていない。この言葉だけでは、そこまで腹落ちしなかったかもしれない。だがページは全く違うページだが、上記の言葉と合わせて思考すれば、かなり腹落ちした言葉がある。以下だ。
「何を言うか」より「誰が言うか」が重要だ。アドバイスを受けて納得し、行動に移すのは、その相手をよほど尊敬し、慕っている場合だけだ。
上記の言葉を読んだときに、感動を覚えた。以前、松下幸之助氏の「道をひらく」の感想で書いたが、まさしく幸之助氏の著書から僕が気づいた本質が、「重要なのは何を言うかじゃない、誰が言うかに尽きる」と実際書いている。そう、全く同じことを著者も言っている。人は得てして誰かから相談を受けると、相手のためを思ってアドバイスをしがちだ。だが、それまでの関係性で相手から好意や敬意を持ってもらえていないと、アドバイスをしたところで、まず素直にその通りにする人などいない。
著者も本書の中で大切なことなので何度も書いている。コミュニケーションにおいて大切なことは、いかに相手から信頼してもらうことだと。信頼してもらう為には、相手のことを親身になって話を聞くことが重要だ。だが、大抵の人は相手が話しているときに「次は自分は何を話そうか」ということしか考えていない人が、往々にして多い。質問をする前に相手の立場に立って、相手が完全に話おわるまで聞き切ると言うことが、何より重要だと言っている。コミュニケーション本でフレーズとして必ずと言っていいほど出てくる「傾聴」だ。だが実際に出来ている人など、ほぼいないだろう。人間は本能として、自分の話を聞いてほしい生物だからだ。だがそんな人が圧倒的に多い中、ごく稀にビジネスの場でも自分の話を親身になって聞いてくれる人がいれば、それは相手からの信頼を貰える可能性が高いと、納得でき腑に落ちた。
では仮に傾聴が出来たとして、自分が話すターンになった時には、どう会話を展開すれば良いのだろう?相手がすべて自分の言いたいことを言い終わった後に、こちらの番とばかりに自分の意見を話したのでは、相手からの信頼は得られないという。
では、どうするのか?相手にアドバイスをするのではなく、相手の話を交通整理してあげることで相手の信頼度が高まるという。ビジネスの場では、「先程仰った〇〇は、つまりは、◇◇という認識であっていますでしょうか?」など。これがプライベートの場面なら、女性から「どっちの服が良いと思う?」と聞かれた際は、「それぞれどこが良いと思ったの?」と返せば、自分の意見も聞こうとしてくれていると相手に感じてもらえ、寄り添っていることになり、相手の承認欲求をかなりの割合で、満たせてあげられる。それぞれのケースに合わせ、具体例を挙げてくれているので、より腹落ち感が深くなる。
この考えに納得出来たから、長年納得感が薄かった言葉があったが、今回ようやく腑に落ちた言葉がある。コンサルの業界や、昔ロジカルシンキングが流行った頃に、もてはやされた言葉で、仮説思考が重要だと、当時のほとんどのビジネス書で書いていた。本書でも「質問の質は、質問する前に仮説をどれだけ立てられるかどうかで決まる」と書いている。仮説をより多く考えたと言うことは、それだけ相手の立場に立って物事を考えたと言うことに他ならない。要は、相手のことを本気で考えた時間がより長く、想いがより深い人間が、相手からの信頼を貰えるんだと、今回ようやく腑に落ちた。
その本が良書であるかどうかの判断は、その本を読んで得た気づきが深いかと、読んだ本から得た言葉をきっかけに、どれだけ自分の思考を深掘り出来るかが、判断材料として自分には合っていそうだ。巻末に著者オススメの本が載っているが、「言葉に出来るは武器になる」があった。この本も僕が数多く読んだビジネス書の中で、本当に感銘を受けた数少ない本の一冊だ。積読本が消化できれば、いつか昔読んだ本の中で良書のみをピックアップし、感想を上げていきたく思っている。
【雑感】
次こそは、夏目漱石氏の「私の個人主義」の感想を書きます。続きを読む投稿日:2023.08.26
よく言われる傾聴の仕方についてしっかりと言語化されていて、身になった。
少しずつ取り入れていけるように
ノウハウは書き出しておこうと思う。投稿日:2023.09.11
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