指揮官たちの第二次大戦―素顔の将帥列伝―(新潮選書)
大木毅(著)
/新潮選書
作品情報
猛将、賢将、凡将、愚将――。大戦をリードした参戦各国の指揮官たちにつきまとう「評価」は、本当に正しいものなのか。戦後永らく日本を支配してきた俗説を排し、日進月歩の最新研究に基づいて明かされる、将軍たちの知られざる言動と意外な横顔。戦後七十七年、ついに登場した『独ソ戦』の著者による軍人評伝の決定版!
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商品情報
- 著者
- 大木毅
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮選書
- 書籍発売日
- 2022.05.25
- Reader Store発売日
- 2022.05.25
- ファイルサイズ
- 11MB
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この作品のレビュー
平均 3.3 (4件のレビュー)
-
元々知らない人の部分は飛ばして、日本の海将三将(南雲忠一、水上徳蔵、山口多聞)と、ドゴールの章だけ読んだ。
ハンモックナンバー(海軍兵学校卒業時の席次)がその後もものを言い続け、実力による抜擢人事が…なかったことが、よく戦訓として語られるが、まあその通りなんだろう。名将と言われる山口多聞中将も色んな評価があるようだ。
続きを読む投稿日:2022.08.01
●=引用
●そのなかでも特に重要なのは、おそらく、戦闘や戦役ではなく、戦争に勝つ策を定める戦略の次元において卓越していることであろう。事実、第二次世界大戦中、さらに戦後にあっても、切実に必要とされて…きたのは、この戦略次元の人材なのである。外交、同盟政策、国家資源(人的・物的資源)の戦力化、戦争目的・軍事目的の設定、戦域(たとえば「太平洋戦域」など、「戦線」や「正面」といったエリアを超える戦争範囲)レベルでの戦争計画といった、きわめて高度の判断と戦略策定の可能な軍人こそ、求められるべき「名将」なのであった。
●このような戦略的劣位に置かれた枢軸国、とくに日独の指揮官たちは、戦争目的を達成するために、「戦役」、すなわち一定の時間的・空間的凌域で行われる軍事行動を計画立案し、実施する「作戦」の次元でのアクロバットに頼るしかなかった。それは、下位階層である作戦次元の勝利を積み重ねることによって、戦略次元の窮境を打開するという、九割九分は失敗を運命付けられた試みだったのだ。
●すでに述べたごとく、戦争目的を定め、国家のリソースを戦力化するのが戦略である。その目的を達成するために、戦線各方面に作戦、あるいは「戦役」を、相互に連関するように配していく。それが作戦術なのだ。作戦術は、独ソ戦後半に大きな威力を発揮した。個別の作戦こそ実行したものの、それらを意識的に協調させることのなかったドイツ軍に対し、ソ連軍は多数の戦役を連動・協同させて、圧倒的な成功を収めたのである。
●ドイツは総力戦を貫徹することが困難な、「持たざる国」でしかなかった。さような国家は、リソースをフル動員し、国民に犠牲を強いながらも、相対的な戦略的優位を獲得するという正道によることができない。だとすれば、ドイツ軍の指揮官は、作戦次元で連勝を続け、戦略次元の劣勢を挽回する以外になすすべがなかったのである。当然のことながら、かかるアクロバットは、何度となく美技を示したとしても、いつかは失敗し、床に叩きつけられる運命にある。(中略)アメリカ軍は、リスクを冒して戦果を上げることよりも、リソースのマネージメントによって勝利を得ることを、作戦次元での指揮官要件としていたのである。
●最後に、作戦実施に際して生起する先頭に勝つための術策、先述の次元について述べる。もっとも、この次元で第二次世界大戦の指揮官に要求されたことは、近代以前とそう変わってはいない。(中略)文字通り、いくさのわざに秀でていることが求められたのである。続きを読む投稿日:2023.01.21
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