敗者のゲーム[原著第8版]
チャールズ・エリス(著)
,鹿毛雄二(訳)
,鹿毛房子(訳)
/日本経済新聞出版
作品情報
世界100万部の超ロングセラー。資産運用の常識を変えた伝説の一冊!「市場と投資の本質」を伝える投資哲学の名著として、世界中で読み継がれてきたベストセラーを、最新データに基づき全面リニューアル。変動するマーケットに一喜一憂する。じっくり考えて決めた投資計画を無視して、高値で買い安値で売ってしまう。そんな経験をしたことがある方は少なくないでしょう。では、市場動向に左右されることなく、大切な資産を守り、実り豊かな人生を実現するには、どうすればいいのでしょうか? 本書ではその現実的な対応を教えます。著者のエリス氏は、投資の成功は、値上がり株を見つけることでも、ベンチマーク以上の成績を上げることでもなく、「自ら取り得るリスクの限界の範囲内で、長期的な投資計画や資産配分方針を入念に策定し、市場の動向に左右されず、徹底的にその方針を守り抜く」ことだと言います。そのための方法として詳しく紹介するのが、「インデックス・ファンド」への投資です。本書では、個人投資家が押さえるべき運用基本方針のポイント、成功する投資信託や確定拠出年金の選び方、投資の基本原則などについても広く解説。プロ・アマ問わず投資に関わる全ての人に広く役に立つ内容になっています。■改訂のポイント今回の改訂では最新データに基づき全面リニューアル。新たに6章を加え、2020年の新型コロナウイルスの蔓延がもたらした大暴落と急回復期など、最新の市場動向もふまえて内容をアップデートしています。
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商品情報
- シリーズ
- 敗者のゲーム[原著第8版]
- 出版社
- 日経BP
- 掲載誌・レーベル
- 日本経済新聞出版
- 書籍発売日
- 2022.01.07
- Reader Store発売日
- 2022.01.01
- ファイルサイズ
- 9MB
- ページ数
- 296ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (55件のレビュー)
-
”「市場に勝つ」ことを目指して「敗者のゲーム」に参加すれば、負けはほぼ見えている。だからといって、悲観することはない。勝つ方法はある。長期投資の明確な目標設定に集中し、その目的を実現するために合理的か…つ現実的な投資政策を選択したうえで、その政策を、自己規律を持って、忍耐強く、しっかり貫いていくことである。(p.27)”
1985年の刊行このかた、世界中で読み継がれてきた投資運用の古典。初版から30年以上たった今でも、その基本的なメッセージは依然として投資家にとって心強い道標であり続けている。
チャールズ・エリスの主張は、実のところ、きわめてシンプルである。つまり、「投資における成功は、短期的な相場の上昇・下落に一喜一憂せず、長期的な投資計画のもと、その方針をつねに堅持することで達成できる」。
まず著者は、市場は、かつての「勝者のゲーム」から、今や「敗者のゲーム」へとその内実を変えたと指摘する。二つのゲームの違いを理解するには、テニス・プレーヤーのアナロジーがとても分かりやすい。
"エキスパートたちのテニスでは、最終結果は勝者の行動によって決まる。(略)アマチュア・プレーヤーは敵をやっつけることなどめったにできず、いつも墓穴を掘って終わる。得点のほとんどは相手のミスによるものだ。(略)二つのゲームは基本的に正反対なのだ。プロのテニスは勝つために行ったプレーで結果が決まる「勝者のゲーム」であるのに対し、アマチュアのテニスは敗者がミスを重ねることによって決まる「敗者のゲーム」なのである。(p.21)"
すなわち、以前は、市場参加者のほとんどが個人投資家で、少数の機関投資家がその優位性を活かして一人勝ちできたのに対して、現代の市場は、巨額の資金を運用する機関投資家同士の競争が支配する高度に専門化された場となり、彼らが稼ぐことができるのは他の機関投資家の「ミス」につけ込む時だけだが、ミスをいつもタイミングよく利用できるわけでもないし、もちろん自分もミスをおかす。機関投資家は、みな非常に優秀であるというまさにそのために、(取引手数料の分だけ)彼らの総体である市場に負けることになったのだ。
そして、個人投資家にとってはより一層状況が悪い。持っている情報量も取引に掛けられる時間も機関投資家に劣りながら、彼らをパフォーマンスで上回ろうとすればかなりの才覚と幸運が必要となるのは想像に難くない。
その上で、筆者はインデックス投資の優位性を説く。機関投資家の多くが市場に勝てないことは上述の通りだが、この「市場」に投資するのがインデックス投資である。
"インデックス・ファンドは、面白くもおかしくもないが、とにかく結果が出る。運用成果を測定している会社のデータによれば、インデックス・ファンドは、長期的にはほとんどのポートフォリオ・マネジャーを打ち負かしていると言える。(p.26)"
個人投資家も、「勝者のゲーム」に勝つことはできないとしても、投資で成功することは十分可能なのだ。そして、リターンを最大化するための秘訣として、長期の投資計画を自己規律を持って実行し、そして何より、チャンスを逃さないために市場に居続けることの重要性を強調する。
僕は、投資歴がまだ数カ月の初心者で、本書に登場する専門用語で知らないものも多かったのだけれど、要点は、上にまとめた通りで大きく外していないと思う。また、本書の後半で説明されている運用基本方針の立て方も参考になる内容であった。
今のところ、インデックス投資と国内個別株をごく少額で試してみているが、ふと気を抜けば呑み込まれそうになる、投資の恐ろしい「魔力」は既にまざまざと感じた(大した額を投資しているわけでもないし、すぐに売るつもりもないのに、チャートの動きが気になって仕方がなくなるのだ)。本書の内容も踏まえ、まずはインデックス投資をポートフォリオの中心に据えて自動で積み立てながら、長い間その存在を忘れているぐらいでいるのが、僕にとっては最も賢明な方針だろうと考えている。とはいえ、インデックス投資の唯一つの欠点は地味で退屈なことであるし、インデックス投資をいろいろ弄りたくなる誘惑から目を逸らすためにも国内株の取引を並行して少額で行っていくつもりだ。
序文
まえがき
第1部 資産運用でまず押さえるべきこと
第1章 運用は「敗者のゲーム」になった
第2章 運用機関の本当の役割
第3章 それでも市場に勝ちたいなら
第4章 「ミスター・マーケット」と「ミスター・バリュー」
第5章 インデックス・ファンドは投資のドリーム・チーム
第6章 運用につきまとう矛盾
第2部 運用を少し理論的に見てみよう
第7章 「時間」が教える投資の魅力
第8章 収益率の特徴となかっみ
第9章 リスクが収益を生み出す
第10章 効率的ポートフォリオとは
第11章 なぜ運用基本方針が必要なのか
第12章 成功する運用基本方針策定のポイント
第13章 運用成果測定の狙いは何か
第14章 市場予測の難しさ
第3部 個人投資家への助言
第15章 個人投資家にとっての課題
第16章 投資信託、どう選ぶ
第17章 手数料は高い!
第18章 生涯を通じた投資プランを立てよう
第19章 2008年の大暴落
第20章 401(k)投資家へのアドバイス
第21章 人生の終盤で成功するために
第22章 資産家のためのアドバイス
終章 敗者のゲームに勝つために
おわりに
付録A 運用機関との上手な付き合い方
付録B オリエント急行の殺人事件
付録C 推薦図書
訳者あとがき
原注続きを読む投稿日:2023.10.28
かなり以前に読了していましたが、インデックス投資の復習の意味で最新版を購入してみました。
本書では、インデックス投資の優位性を平易な表現で分かりやすく説明してくれています。
ただ、具体的な投資信託の…名称等の記載が少ない上に、アメリカの優遇税制など、なじみのない記載が多く、いまいち理解しにくいと感じました。
それでも、年齢に関係なく、株式100%のポートフォリオを貫くべきという、著者の主張には勇気づけられました。続きを読む投稿日:2024.04.08
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