女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち
ブレイディみかこ(著)
/幻冬舎新書
作品情報
叩かれても。踏まれても。
したたかにサバイブする
世界の女性指導者と政治事情を
ブレイディみかこが解き明かす!
近年、世界中で多くの女性指導者が生まれている。アメリカ初の女性副大統領となったカマラ・ハリスに、コロナ禍で指導力を発揮するメルケル(ドイツ)、アーダーン(ニュージーランド)、蔡英文(台湾)ら各国首脳たち。政治という究極の「男社会」で、彼女たちはどのように闘い、上り詰めていったのか。その政治的手腕を激動の世界情勢と共に解き明かす。いっぽう、女性の政治進出を阻む「サイバー暴行」や、女性国会議員比率が世界166位と大幅に遅れる日本の問題にも言及。コロナ禍の社会で女性の生きにくさがより顕在化し、フェミニズムの機運高まる中「女たちのポリティクス」はどう在るべきか。その未来も照らす1冊。
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この作品のレビュー
平均 3.9 (26件のレビュー)
-
ブレディみかこさん初読みです。
誰にも忖度せずに自分の考えをハッキリ言う人のようですね。
1年程前にヤマザキマリ「たちどまって考える」のレビューで、コロナ禍での危機管理能力が優れている政治家を挙げた…のですが、同じ名前が本書の裏表紙に書いてありました。
おそらく多くの人がそのように感じたのだと思います。
なぜ、コロナ対応がうまくいっている国のトップに女性が多いのか?
その理由は明確でした。
答えは「政治的能力が優れている」から。
ブレディみかこさんの答えに納得です。
「どうすれば支持を下げないか」という保身のための計算が必要な国はダメです。
政府への信頼がある国、つまりトップが優秀な国が成功しているといえます。
オーストラリアのように男性指導者でも成功している国もあるので、女性だから云々というのは理由になりません。
男女の比較にするとジェンダーのステレオタイプ化に繋がることを避けたとも感じます。
本書は世界の女性政治家に焦点を当てているのですが、ブレディみかこさんが日本の女性議員をどのように捉えているのかも気になっていました。
本書で取り上げられたのは、稲田朋美と小池百合子の二人です。
稲田朋美に関してはあまり評価していないですね。
日本で彼女を支持しているのは右翼ではなく、反左翼(左翼に対して攻撃を行う人達)が多いと分析しています。
稲田さんはマスコミにもバカにされている印象を持っているようでした。
小池百合子に対しては、
女性の地位が低い日本の男性支配的な政界において、日本初の女性首相候補とみなされてきた。
行動を起こすのが遅く、柔軟性に欠け、曖昧な安倍首相とは対照的である。
と、抜け目のない、やり手の政治家だと一目置いているようです。
2017年の衆院選では小池百合子党首に、希望の党公認から「排除いたします」と言われ行き場をなくした民進党の大の男たちがいました。
この様子を見て、快感を覚えた女性たちは小池を支持し続けています。
安倍政権的なもの、自民党政権的なもの、性差別的でセクハラ・パワハラの象徴になっている「おっさん」が時代遅れで野蛮な存在になっています。
稲田朋美が口にした「(党の)おじさん政治をぶっ壊す」は、自民党のおじさんに向けたうっぷん晴らしの言葉でしたが、小池百合子は黙々とおっさん潰しをしているような気もします。
ブレディみかこさんが暮らしている英国の女性政治家といえばサッチャーですが、日本人が持っているイメージとは違う見方をしていました。
何かがうまくいっていない時、うまくいっていない理由としてみんなが納得しそうな敵を設定し、それを激しく叩きまくる。
"福祉国家をぶったたく"とのスローガンでのし上がっていったのがサッチャーだそうです。
「国民は国に頼るのではなく自己責任で生きていかねば国は衰退し経済成長もしなくなる」という新自由主義の弱肉強食的な政策を取れたのは「鉄の女」だったからではなく、彼女の政策に快感を覚えて指示した女性層が一定数存在したからだと言っています。
アメリカはどうか。
アメリカのハリスは初めての女性の副大統領、初の黒人副大統領、初のアジア系副大統領なのだそうです。
では"ハリス大統領"はどうか、というアンケート調査の結果は、なるべきが28%、なるべきではないが44%と支持は得られていません。
2016年の大統領選でクリントンが負けたのは、クリントンが"女性"だったからと言われるほどアメリカは男性社会であるようです。
日本も女性の地位の低さでは世界的に有名な国ですが、コロナ禍で女性の貧困の問題が顕在化し、女性の自殺者が増えてしまいました。
「何とかして欲しい」と言っても、おっさん政治指導者たちからは「お気の毒に」「甘えるな」と言われて終わりです。
ブレディみかこさんは、日本の女性たちの怒りがもっと高まってもいいのでは、と歯がゆさを感じているようです。
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だらだらと長い、まとまりのないレビューになってしまいましたが、最後にグチを一つ。
タイトルの「ポリティクス」もそうだが、カタカナ語が多すぎる!
『ムスリム移民のミソジニー的文化が欧州の女性の自由と権利を台無しにするというナラティヴを極右が広げている』
なんて、意味が分からない!
「フェミニズム」「プラグマティック」「ブレグジット」「ミソジニー」「バックラッシュ」
「ポピュリズム」「レームダック」「エスタブリッシュメント」「プログレッシブ」「レイシズム」
「レペゼン」「レトリック」「プロパガンダ」「イスラモフォビア」「ムスリム」「マチズモ」
「アイコニック」「アイロニック」「アファーマティブ・アクション」「エスタブリッシュメント」
のようなカタカナ語の意味を調べながら読みました。続きを読む投稿日:2022.03.30
著者自身は以前から一貫して左派の立場を明確にしているが、左派にも右派にも、フェミニストにもアンチにも、リベラルにもナショナリストにも反移民にも、新自由主義にも反緊縮にも、それぞれいろいろあって、いろい…ろくっついてるのよ、という書きぶりで、そこがクール。2010年代後半の欧米の政治状況が著者の肌感覚で分かりやすく語られている。読んでいて、そうなんだ、と思うことが多々あった。続きを読む
投稿日:2023.07.23
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