【音声版】週刊宮本武蔵アーカイブ(39)
吉川英治(著)
/オトバンク
作品情報
注意点
・本作は、テキストはありません、音声のみの提供になります。
・利用する際は、「音声対応仕様:アンドロイド/iOS リーダーアプリ」の最新版でお楽しみください。
・Android OS 5.0未満ではご利用いただけません。
ナレーター:浅科准平
再生時間:02:10:30
国民文学作家・吉川英治の代表作『宮本武蔵』の音声版。
新聞小説として連載され、かつてないほどの人気を得た吉川英治の「宮本武蔵」を、情緒ある朗読に演出を加えたオーディオブックとしてお届けします。
第166回 待宵舟
昨年の秋の末、お杉婆から酷い打擲(ちょうちゃく)を受けて以来、すっかり体を弱らせていたお通。そんな彼女の看病に当たっていたのは、お通をこのような目に合わせた張本人であるお杉婆であった。「決して、ばば様のせいではない」と、お通から慰めを受けるも、婆は涙が止まらず、これまでの罪を懺悔するのであった。
第167回 鷹と女と
佐々木小次郎の剣法・巌流は、彼が豊前へ来てから幾年とも経たない間に、九州一円を風靡していた。小次郎の肩に衆望が集まり、主君である忠利も「よい者を召抱えた」と満足する。だが一方で、近畿や東国においては宮本武蔵の世評の良さが際立っていた。この話題があがると、顔色に出すまいとしながらも、たちまち冷ややかな語気で武蔵を評し始めるのが小次郎の常であった。
第168回 十三日前
武蔵と小次郎の試合が決まり、小倉城下の町は旅人で溢れ返っていた。各所に高札が建てられ、巷の声は既に試合の噂ばかりである。運命の日まで、残り数日に迫ったある日の午頃、門司ヶ関から小倉へ入る城下口の前で、乳飲み児をあやしている女があった。つい先頃、大阪の河端で、ふと見かけた又八が後を追って行き会った、朱美であった。
第169回 馬の沓
佐々木小次郎との闘いの数日前、挨拶にと長岡佐渡のやしきを訪れた武蔵。取次に出てきた家士によると、佐渡は不在中との事であった。いずれにしてもすぐに帰るつもりではあったが、せっかくのお越しだからと引き留められる。すると、廊下をばたばたと駆けて来る足音がした。式台から飛び降り、武蔵の胸に抱きついてきたのは、伊織であった。
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