赤の神紋 第十三章―Angelos Glow―
桑原水菜(著)
,藤井咲耶(イラストレーター)
/集英社コバルト文庫
作品情報
『赤の神紋』のオーギュスト役を賭け、十日限りの舞台『メデュウサ』の幕が開いた。榛原憂月が創造した「完璧なハミル」を体現するワタル。観客を巻き込み、悪意さえ感じさせる常識を超えたケイの演技。葛川蛍と来宮ワタル、Wキャストに観客の降す審問は!? 一方、舞台に呑み込まれてゆくケイを守ろうとする響生は、榛原の胸に刻印された十字架の秘密に向き合うことになり・・・。
商品情報
- シリーズ
- 赤の神紋
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社コバルト文庫
- 書籍発売日
- 2006.09.06
- Reader Store発売日
- 2017.08.18
- ファイルサイズ
- 4MB
- ページ数
- 256ページ
- シリーズ情報
- 全16巻
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.1 (7件のレビュー)
-
シリーズ13
いよいよ直接対決!
ケイとワタル、
榛原と連城、
ワタルのちょっとだけ弱い可愛い所も見れて
昔、一人芝居の時に基礎を教えてくれた舞台監督とのやりとりに和む
榛原の隠れ家と、そ…この老婦人、
好物の麩菓子に和みつつ、
舞台はドンドンエキサイト!
すげーなこのほん続きを読む投稿日:2017.04.27
このレビューはネタバレを含みます
『赤の神紋』のオーギュスト役を賭けた十日限りの舞台『メデュウサ』の幕が開いた。
レビューの続きを読む
先方はケイ。
けれど、ケイのハミルは悪意さえも感じさせる出来映えで、常識を超えたケイの演技。
そして初日の夜の部・…後攻になったのはワタル。
ワタルは榛原憂月が想像した「完璧なハミル」を体現してみせた。
響生も榛原もそれぞれ舞台に呑み込まれて行こうとするケイをそれぞれがそれぞれの方法で守ろうとするが、ケイの演技は見た人をも、熱狂的な崇拝者とするか、あるいは嫌悪感を抱かせるか、の二択で。
次第に共演者も含めて、恐怖へと巻き込んで行く事になる……。
そして、響生はケイを守るために、榛原の胸に刻印された十字架の秘密に向き合う事になる……
という話。
修羅場も修羅場でいいところ。
もう、皆が皆、鬼気迫っていて、恐怖感しか覚えない。
正直、この本を読んだ段階では、ケイの勝ちはほぼないとしか思えない。
後、あるとしたら、ケイにはこの本の主人公が守ろうとしている人であるという利点だけ(主人公は響生だと思っているんですが……)
それにしても、いつもこのシリーズを読むたびに思うんですが。
演劇に関して、素人の作者さんが書いたとは思えない、舞台の演者に対する情熱だなー……と思います。
何せ、迫力が違う。
舞台上の鬼気迫った様子を見事に書き上げるって、この人、本当にすごいなー……と。
肝心のケイと響生、榛原と響生、榛原とケイとかの人間関係の部分においては。
「もういいよ!」
ってこっちが先に匙を投げたくなるくらいのレベルでじれったいのですが……。
その読者がじれったく思える部分を書き続けてる作者さんってすごいなー……ってまた思ったり。
普通は、いくらそれが、自分のアイデンティティに関わる部分だとしても、これだけずっと自分と葛藤したり、人と葛藤したりし続けたりする事ってできないと思うんですよね。普通、忍耐力が続かなくて諦めちゃうと思うんですが。
この小説に出て来る主人公は、誰一人そんなことせずに、自分の葛藤と向き合い続けて、「まぁ、いいや」っていう結論を出さない。
なんかもう、感心するよね。
普通、こんなにエネルギー続かない。
そして、そんな登場人物と付き合ってる作者さんのエネルギーが一番怖かったり。
こんなにこんなに葛藤ばっかりと向き合い続けるのって本当に辛いと思うんですけど、この人はそうでもないんだなー……ってことが、怖かったりなんだり。
恐らく、後一冊で終わりだと思うんですが。
この長い長い葛藤の物語に、作者さんがどんなピリオドを打つのかが楽しみだったり、楽しみじゃなかったり……。続きを読む投稿日:2011.10.14
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