現代思想入門
千葉雅也(著)
/講談社現代新書
作品情報
人生を変える哲学が、ここにある――。
現代思想の真髄をかつてない仕方で書き尽くした、「入門書」の決定版。
* * *
デリダ、ドゥルーズ、フーコー、ラカン、メイヤスー……
複雑な世界の現実を高解像度で捉え、人生をハックする、「現代思想」のパースペクティブ
□物事を二項対立で捉えない
□人生のリアリティはグレーゾーンに宿る
□秩序の強化を警戒し、逸脱する人間の多様性を泳がせておく
□権力は「下」からやってくる
□搾取されている自分の力を、より自律的に用いる方法を考える
□自分の成り立ちを偶然性に開き、状況を必然的なものと捉えない
□人間は過剰なエネルギーの解放と有限化の二重のドラマを生きている
□無限の反省から抜け出し、個別の問題に有限に取り組む
□大きな謎に悩むよりも、人生の世俗的な深さを生きる
「現代思想は、秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの、すなわち「差異」に注目する。それが今、人生の多様性を守るために必要だと思うのです。」 ――「はじめに 今なぜ現代思想か」より
* * *
[本書の内容]
はじめに 今なぜ現代思想か
第一章 デリダーー概念の脱構築
第二章 ドゥルーズーー存在の脱構築
第三章 フーコーーー社会の脱構築
ここまでのまとめ
第四章 現代思想の源流ーーニーチェ、フロイト、マルクス
第五章 精神分析と現代思想ーーラカン、ルジャンドル
第六章 現代思想のつくり方
第七章 ポスト・ポスト構造主義
付録 現代思想の読み方
おわりに 秩序と逸脱
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商品情報
- シリーズ
- 現代思想入門
- 著者
- 千葉雅也
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2022.03.16
- Reader Store発売日
- 2022.03.16
- ファイルサイズ
- 2.5MB
- ページ数
- 248ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (163件のレビュー)
-
2023年新書大賞の第1位受賞作。
新書大賞を受賞したつーことで早速読ませてもらいました。
普段、哲学や思想の本など読まないので、恥ずかしながら自分にとってはかなり難解でした。これで「入門」かよ!?…的な感じです。デリダにドゥルーズ、誰やそれって感じですね。
なんとなくわかったことは、一般に現代思想つ〜のは1960年代から90年代にかけてフランスで展開されたポスト構造主義の哲学だということ。ポスト構造主義=ポストモダニズム、ポストモダン思想であり、これがデリダやドゥルーズやフーコーの思想ちゅうことらしいです。
パターン化、単純化されていく社会に警鐘を鳴らすと言ったらいいんでしょうかね。
とにかく一つにおさまったり完璧な秩序だったりすることより「差異」を重視するんですね。
確かに現代は同調圧力がきつくて、出る杭は打たれる的なところありますよね。昭和の時代に比べると大らかさは確かに減少していて、窮屈な感じがするというのが私の実感です。
著者である千葉さんは私とほぼほぼ同世代ですが、以下のように解説してます。
「現代は、いっそうの秩序化、クリーン化に向かっていて、そのときに、必ずしもルールに収まらないケース、ルールの境界線が問題となるような難しいケースが無視されることがしばしばである、と僕は考えています。
何か問題が起きたときに再発防止策を立てるような場合、その問題の例外性や複雑さは無視され、一律に規制を増やす方向に行くのが常です。それが単純化なのです。世界の細かな凹凸が、ブルドーザーで均(なら)されてしまうのです。
物事をちゃんとしようという「良かれ」の意志は、個別具体的なものから目を逸らす方向に動いてはいないでしょうか」
会社組織のなかで長年生きてきた私には耳の痛い話しであると同時に大きな気づきを得られました。
話は変わりますが尾崎豊の大ヒット曲「15の夜」は昔から大好きな曲です。有名な「ぬ~すんだバイクで走り出す〜」という歌詞がありますよね。千葉さんによればですね、あれはかつて、がんじ搦(がら)めの社会秩序の「外」に出ていくという解放的なイメージで捉えられていたとのこと。ところが今日では、「他人に迷惑をかけるなんてありえない」という捉え方がけっこう本気で言われているようなんですね。
ほんまかいなと笑ってしまいました。
秩序維持、安心・安全の確保が主な関心になっていて、以前のように「外」に向かっていく運動があまり受け入れられないんですね〜。
そういう、差異やズレ、変化などを重要視刷るのが現代思想ということがなんとなくわかりました。再読したら理解が深まるような気がしました。
巻末の付録的な感じで、難解な哲学書を読むテクニック的なこと書かれていて、なかなか面白かったです。続きを読む投稿日:2023.03.12
難しい…(語彙力)
普段読んでいる具体的な事象についての本や話とかけ離れた抽象性の世界なので、途中で何度も離脱しそうになったがなんとか読み終えた。
という感想だけだと、それも無駄になってしまいそう…なので、可能な限りアウトプットとして残しておく。
・デリダの、二項対立の脱構築
「大人らしい/子供っぽい」のような二項対立は、一方にポジティブ/ネガティブな印象を持たせて論じられる。これを特にネガティブである方は本当にそうなのか?という方向で擁護していく。
ちなみにその根源は、「パロール(話し言葉)/エクリチュール(書き言葉)」という対立。
・ドゥルーズの、存在の脱構築
関係性は二者間の単一的なものではなく、複数間で複雑に入り乱れている。それは植物の根茎(リゾーム)のようである。
プロセスは常に途中である。例えば執筆作業を取っても腰が重いときはまず思いついたものをメモしていく。書き始めをきちんと設定しなくても良い。仕上げも究極の完成を目指さなくて良い。という考え方は日常にも活用できる。
・フーコーの、社会の脱構築
ここが一番読みやすかった。
現代ではパノプティコン的に個人での自己監視が強まっている。そして罪の意識がその都度のもので終わらず、その人のアイデンティティにまで影響する。古代中世では、悪いことしたら怒られておしまい、だったのが、悪いこと→悪い人という形で捉えられるようになっている。
例えば(フーコー自身がそうであったが)、中世では「同性愛行動」はあったが「同性愛者」はいなかった。
転換点はキリスト教、とくにアウグスティヌスによる原罪の解釈。
・ニーチェ、フロイト、マルクス
そろそろ勘弁してほしい
・ラカン
これはまだ理解しやすかった
赤ちゃんにとって、母との一体化状態→疎外(離れたり)→戻ってきて抱っこしてくれる:「享楽」と表現。単なる安心感だけでなく、そのスリルを味わう
オイディプスコンプレックスにもつながる
学生時代に耳にしたことがあるような名前や表現がちらほら。
そもそも何で読み始めたんだっけ、というのも曖昧になって来たけど、人生に即効性のある薬ではなく、サプリのような?いつか困ったときに考え方や物事の捉え方を助けてくれるものだと認識した。
わからないものをわからないままでも読み進め、繰り返し読み、少しずつインストールしていくという訓練にもなる。続きを読む投稿日:2024.03.19
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