「ゆらぎ」と「遅れ」―不確実さの数理学―
大平徹(著)
/新潮選書
作品情報
「安定」「正確」を求める現実社会は、じつは「不規則」や「不確実さ」に満ちている。そうした「不確実性」は、時に予想もしない効果をもたらしたり、有益な働きをしてくれる。トーナメント戦での番狂わせ、犯人追跡の意外な方法、免震制御、時間差による攻撃手段など。身近にある不安定現象を挙げながらその意外な効用を説く。
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商品情報
- シリーズ
- 「ゆらぎ」と「遅れ」―不確実さの数理学―
- 著者
- 大平徹
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 数学・物理学・化学
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮選書
- 書籍発売日
- 2015.05.29
- Reader Store発売日
- 2015.11.20
- ファイルサイズ
- 5.3MB
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この作品のレビュー
平均 4.5 (4件のレビュー)
-
不確実なものは、不確実だからいいんじゃないか、と思うけど、それをも数理学で解こう、ということか。でも著者は、高校は文系コースでありながら、リベラルアーツで物理を学ぶことになり、大学で数学を教えるという…、実は文系タイプだというから、期待が持てる。
「ゆらぎ」は悪ではない。これはなんとなくわかる。しかし、「遅れ」もかならずしも悪ではないという。ゆらぎが空間的な概念であるのに対して、遅れは時間の概念である。じゃあ、ゆらぎの感覚を遅れに持ち込んだら。時間の流れ自体が前後するようなことがあったら。この概念は著者の力量を超えているというから、僕も届かないところにあるが、こういう話だと食いついてしまうなあ。
数式も出てくるが、そんなに堅苦しい本ではない。ゆらぎの説明では、刑事が犯人を追うときに、一斉に追うのか手分けして別々に追うのがいいかが説明の引き合いにでてくるし、遅れの説明には、イグ・ノーベル賞受賞作品である「スピーチジャマー」も出てくる。うるさいやつに、自分の喋った内容を0.2秒遅らせて聞かせると、どうにもうまくおしゃべりができなくなってしまうという。
さて、ゆらぎと遅れを合わせてかんがえる、という当たりから、少し理解があやしくなってくる。
時間が絡むと、学術の世界では「重い」のだそうで(そりゃそうだ)、だからこそ、わかるともわからないともいえない思索が幸せだ、と。同意です。続きを読む投稿日:2015.07.06
このレビューはネタバレを含みます
今年一番と言っても良い。良書。
レビューの続きを読む
一般的にミクロの物理現象である「ゆらぎ」「ノイズ」「遅れ」という不確実性についてのお話。普通の人は興味がない事柄を具体例と抽象をうまく結び付けていて興味深い本となって…いる。
ゆらぎ
・・・共鳴により増幅する。スポーツで言えばサーフィン、ブランコ(リズムとタイミングで力を得る)
ラジオは回路の振動数と電波の周波数を合わせる共鳴運動だし、吊り橋の崩壊は吊り橋の固有振動数と行進の振動数が一致した時にしばしば起こる。その他、共鳴を利用した器具として電子レンジがある。
共鳴が好ましくない場合、ゆらぎをゆらぎで止める制振という方法が伝統的にある(五重塔など)
ノイズ・・・ブラウン運動やランダムウォークなど
適度なノイズがあるほうが生体の機能に有効になりえる(確率共鳴)
遅れ・・・マイクのハウリング、経済のJカーブ効果
バランスが良いとは「ゆらぎ」による「遅れ」が少ない事を示している。この時に大事な考え方はゆらぎでゆらぎを切る(フィードバック制御を止める回路を持つ)という事が大事なようだ。ゆらぎを切る為には制振構造である事と遊びやリラックスという言葉がキーとなる。
条件付き確率→ベイズの定理続きを読む投稿日:2017.03.05
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